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2007年03月11日

創作民話

創作民話


『 もでげのカッパ 』

文・岬れい (みさき れい)  
絵・小松晴美 (こまつ はるみ)


 もでげ(本合海)と呼ばれる集落に絶景を水面に映す大きな川がながれています。そこに一匹のカッパが住んでいました。
このカッパ、川に住むいじめっこの「なまず」「うなぎ」「かに」にいつもいじめられていました。
「どうしてみんな僕をいじめるんだろう。いじめるのってたのしいのかなぁ。明日の朝、村のこどもたちが川にあそびにくるから僕もいじめてみようかなぁ」

 次の日の朝、村の子供たちは川でみんな仲良く遊んでいました。
そのうちカッパは川原の小石をなげつけたり、お昼に食べようと子供たちがもってきた「おにぎり」を奪い取ったりして子供たちを泣かせてしまいました。
その夜カッパは思いました
「子供たちに悪いことしたなぁ。仲良く遊んでたこどもたち、楽しそうだったなぁ。いじめられるのもおもしろくないけど、いじめるのも楽しいことじゃなかったなぁ。僕も仲良くあそびたいなぁ」

 ある日カッパは川からあがって食べ物を探している時、いじめっこの「なまず」「うなぎ」「かに」が川で子供たちをいじめていました。カッパはなまずたちに叫びました。
「どうして子供たちをいじめるんだ。いじめたってなにもおもしろくないだろ、そんなことはもうやめようよ」

そのとき、いじめられていた子供がひとりおぼれそうになってしまいました。そこは地元で「地蔵巻」と呼ばれ川の水が激しく渦巻いて流れている場所です。それを見たカッパは
「こわくて泳いで助けにいくなんてとてもできない。どうしよう」

ちょうど、通りかかったお坊さんと小坊主にカッパは助けをもとめました。
「子供がおぼれているんです、どうしたらいいでしょうか」

そのお坊さんは川原から大きくて平らな石を見つけてカッパに言いました。
「カッパ、この石にのりなさい」
お坊さんはカッパを石にのせて子供が溺れているところまで「えいっ」と投げました。大きな石は水の上を何度も飛び跳ねながらまっすぐ子供にむかっていきました。石が子供のところまできた時、カッパは子供を抱きかかえて助けました。石はそのまま向こう岸に無事着きました。

「あぁ助かって良かったね。この間はいじめたりしてごめんなさい。
ほんとうはみんなと仲良く遊びたかったんだ。これからは仲良くしようね」

お坊さんはひと言こういいました。
「世の中で一番大事なことは仲良く暮らすことだよ。お互い助け合って生きていけばみんなが幸せになれます。悪い事をしている者を見たら注意してあげなさい。」

その後カッパと子供たちが仲良く遊んでいるところを良く見かけるようになったということです。

いじめっこ3人組はどうしたかって・・・
どうしたらみんなの仲間になれるだろうと考えて・・・・・・
「なまず」は地震がきそうな時、みんなに知らせてくれるようになりました。
「うなぎ」は悪い事をするのはいないかと川の中をパトロール。見逃さないように目玉が八つになりました。
「かに」はというと・・・川底の石のすきまで腕組みしたまま・・まだ考え中のようです。

ところで、大きな石を投げてカッパと一緒に子供を助けた怪力のお坊さま。
じつはカムロのお山に住む「テングさま」だったということは誰も知らないことでした。



Posted by エル・エー・ビー at 16:44│Comments(0)
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